肩関節グループ
肩関節グループ
について
肩関節は人間の関節の中で最大の可動域を持つ関節です。
それ故痛みや硬さが原因で少しでも動かなくなると困ると感じる方も多い部位です。
平成28年国民生活基礎調査では医療機関を受診する理由として腰痛についで2番目に多いのが「肩の痛み」でした。
洗顔、洗髪、炊事、更衣など、様々な場面で肩の動きが関与しており、これが障害されると日常生活の妨げの理由となります。
われわれ肩関節グループは変性疾患、スポーツ障害、外傷を全般的に扱い治療しております。
また肘関節の疾患についても診断・治療をおこなっております。お悩みの症状がございましたら是非ご相談ください。受診される際には近隣の医療機関からの診療情報提供書(紹介状)がございますと診察がスムーズに行えます。
肩関節は柔らかい組織に覆われているためMRIを撮影させていただくことが多いですが、大学病院では予約が取りづらいため、比較的早期の撮影が可能な専門の医療機関もご案内させていただいております。
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03-3784-8419
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03-3784-8000
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03-3784-8400
代表的な治療
腱板断裂
外傷を契機に、もしくは特に大きなケガもしていないのに腕が挙がらなくなったり、腕を挙げようとすると肩すくめのような格好になってしまう、退行性変化を基盤とした疾患です。
肩甲骨の周りには腕を動かすためのインナーマッスルが4つあり(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)これらの腱が裂けてしまうと思うように腕が挙がらなかったり、痛みの原因になります。
断裂には大小様々なサイズや形態がありますが症状によってリハビリテーションもしくは手術(関節鏡視下腱板修復術、リバース型人工肩関節置換術など)の治療を行います。
肩関節拘縮
いわゆる四十肩・五十肩と呼ばれる肩の炎症による特発性のものや、外傷後などの不動が原因で二次的に起こるものがあり、しばしば痛みを伴います。
四十肩・五十肩では関節内部の柔らかい組織が炎症し痛くなる(炎症期)、痛みを伴い肩が硬くなる(拘縮期)、その後ゆっくり治ってくる(回復期)の三段階があります。
痛みと硬さに対して「運動不足のせいだ」と頑張って動かしてしまっている患者さまもおりますが、病期によって治療が異なりますので無理せずご相談ください。
投球障害肩(野球肩)
投球を繰り返すことで生じる関節唇(関節を安定させる柵のような役割の組織)の損傷です。
野球選手以外にバレーボール・ハンドボール・やり投げの選手にも生じます。
精密検査を行い診断し、注射やリハビリテーションの介入でスポーツ復帰を目指します。
パフォーマンス低下が著しい際は手術も行います。
反復性肩関節脱臼(亜脱臼)
肩関節の脱臼(亜脱臼)を繰り返し、「関節が緩い」「抜けそうで怖い」と感じることに対して治療いたします。ラグビーやアメリカンフットボールなどの体当たりスポーツで生じる外傷、もしくは転倒などで一度肩関節脱臼を受傷してしまい反復性に至るケースなどがあります。
関節唇損傷や関節窩骨折などが原因で、筋肉をつけても脱臼グセは改善しないため、選手と話し合いながら手術法も含め治療方針を決定していきます。
主な手術治療法
- 01反復性肩関節脱臼に対する鏡視下Bankart手術
- 02肩関節拘縮に対する鏡視下関節授動術
- 03腱板断裂に対する鏡視下腱板修復術
- 04スポーツ障害(野球肩)に対する鏡視下上方関節唇修復術
- 05変形性肩・肘関節症に対する人工関節置換術
- 06野球肘に対する鏡視下・直視下手術
- 07上腕骨・鎖骨・肩甲骨の外傷に対する骨接合術・人工関節置換術
スタッフ紹介
東京明日佳病院名誉院長
客員教授
渡邊 幹彦
- 専門分野
- スポーツ整形外科、肩鏡視下手術、肘鏡視下手術
- 資格
- 日本整形外科学会整形外科専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター
- 経歴
- 日本野球協議会医科学部会長 全日本野球協会医科学委員会委員長 日本プロ野球機構医科学委員会委員
2000 シドニーオリンピック野球日本代表チームドクター
2004アテネオリンピック野球日本代表チームドクター
2013 WBC野球日本代表チームドクター
2018- 東京農業大学アメリカンフットボール部チームドクター
大学院保健医療学研究科 教授
昭和大学スポーツ運動科学研究所
西中 直也
- 専門分野
- スポーツ整形外科、肩鏡視下手術、肘鏡視下手術
- 資格
- 日本整形外科学会整形外科専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本整形外科学会認定スポーツ医
- 経歴
- 日本整形外科スポーツ医学会代議員・国際委員会委員
日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)評議員
日本肩関節学会代議員・査読委員 日本肘関節学会評議員
日本テニス協会医事委員・アンチドーピング委員
2008-2011 川崎フロンターレ チームドクター
2019 千葉ロッテマリーンズ メディカルチェックドクター
世田谷おくさわ整形外科病院長
兼任講師
熊本 久大
- 専門分野
- スポーツ整形外科、肩関節外科、肩鏡視下手術
- 資格
- 日本整形外科学会整形外科専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本整形外科学会認定スポーツ医
- 経歴
- 日本体操協会情報医科学アンチドーピング委員会医師部部長
2020 東京オリンピック体操競技選手用医療統括責任者
2014 新体操世界選手権日本代表チームドクター
2018 東京農業大学アメリカンフットボール部チームドクター
講師
西川 洋生
- 専門分野
- 肘関節外科、肩関節外科、スポーツ整形外科
- 資格
- 日本整形外科学会整形外科専門医
兼任講師
八木 敏雄
- 専門分野
- 肩関節外科、スポーツ整形外科
- 資格
- 日本整形外科学会整形外科専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科認定リハビリテーション医
助教
天野 貴司
- 専門分野
- 肩関節外科
- 資格
- 日本整形外科学会整形外科専門医
東京高輪病院に出向中
岡田 智彰
- 専門分野
- スポーツ整形外科、肩関節外科、肩鏡視下手術
- 資格
- 日本整形外科学会整形外科専門医
- 経歴
- 2019 東京農業大学アメリカンフットボール部チームドクター
代表的な業績
Kuriyama S, Fujimaki F, Katagiri T, et al. Anterior Dislocation of the Shoulder Joint Sustained Through Skiing. Arthrographic Findings and Prognosis. Am J Sports Med. 1984
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に関連する
お知らせ
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第47回 日本肩関節学会 [末永 直樹 会長(北新病院, 上肢人工関節・内視鏡センター センター長), 2020年10月9~10日]に参加いたしました
本学会は新型コロナの影響を受け, Webinarと現地参加のHybrid形式で行われました. 当院からは 西中 直也 「リバース型人工肩関節置換術後3年以上経過例の臨床成績と合併症」 「Zero外旋・リリーステストにおける代償運動の左右差」 ...
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八木 敏雄 先生の論文が掲載されました
八木 敏雄 先生の論文が掲載されました。 Controlling nutritional status score predicts postoperative complications after hip fracture surger ...